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第2章「青年ジョン・ミューアの苦悩」に入りました。

アメリカへ移住し、農地開拓も進んでいるが、ジョンは外の世界へ目を向けるようになる。そしてファウンテンレイクをでて大学へ〜というあたりの話。

ウイスコンシンでのジョンは、教養確かな隣人に恵まれ、科学や文学に関する書籍,新聞や時事の話題に触れることができた。当時、1850〜60年代は、黒人奴隷解放運動がさかんになっていた時期であり、近隣の中には奴隷制度廃止運動に取り組む家もあったとか。
奴隷制度やインディアンの歴史を知るにつけ、自然社会だけでなく人間社会に関しても目覚めていくことになる。

1860年の夏、隣人からウイスコンシン州の州都マディソンでひらかれる農業フェアの情報をもらい、発明を出展してみてはどうかと勧められる。このフェアで世間の目に留まれば、ジョンの将来の可能性が大きく広がることは明らかだったし、あるいは約束されるようなことも考えられた。
ジョンの発明の才能は隣人のだれもが広く認めるところで、ジョン自身も含めてその才能を外の世界で発揮することを望んでいた。それもあり、この農業フェアへのチャレンジはおおきなきっかけとなった。

成すことを成した人には、その努力に見合ったチャンスというか、決定的な機会というものが訪れるのかもしれないなあなんて風にも思う。あくまで結果としてそうなっているというのもあるけど。

マディソンは、ファウンテンレイクから100kmくらい南下したとこ
2015-02-22 18.23.03

農業フェアで実績をだし、そのときの紹介でウイスコンシン大学へ入学することができた。ここでの出会いも彼の将来への道筋となるものがおおおく、エズラ・カー教授から自然科学、地質学を学び、バトラー教授からは常にノートを持ち歩きどんな些細なことでも逃さず記録すること、日記を付けること学び、その習慣を遵守したことで後の膨大な原稿がうまれることになる。

習慣として、なんでもメモをするというのは、いいですよね。
ちょっと話し変わるけれど、こういう記事を書いているのも、誰かにみせるためというか、あくまでも目的は自分が忘れないためであるし。こういうことを地道に続けていって、自分の中でいろんな物がつながって、何か形になればいいな、みたいな漠然としたことを考えている。
(形になればというのは、本にしたいとか、そういうことじゃなくって、人間が形作られる、みたいなニュアンス。)

ジョンが大学で研究を続けているあいだ、アメリカという国がどういう状況であったかというと、1860年にリンカーンが大統領に就任したことで、奴隷制度の堅持をかかげる南部諸州がアメリカ合衆国から独立し、アメリカ連合国をたてる。ミューア一家が入植していたウイスコンシンなど、中西部の農業州については、ニューイングランドなどの北部工業州と同じく奴隷制を認めない「自由州」であった。

翌、1861年、南北戦争が勃発。

彼の周りの環境が戦争へと巻き込まれて行く中で、彼自身はアメリカの戦争に対して”スコットランド人の傍観者”にしかなれないことに気づき悩み苦しむ。愛国心に燃える学生達の中で自分だけが時代から疎外されているような感覚に陥り、自身ができることを模索した結果、医者を目指すことを決心する。
その後、しだいに戦火は激しくなっていき、ジョンも徴兵制のもと戦場へ駆り出されそうになることがわかってくると、医学の道を諦め、半ば現実から逃避するように植物の研究に打ち込んでいく。将来が見えてこない、不確かな状況の中、彼は心の不足感を補うために、徴兵を逃れるために、カナダへの旅に出る。もう大学に戻らないと決めて。

大学を去るとき、ジョンはこう記している。

でも私は、ただ、第一の大学から第二の大学に移っただけなのです。ウイスコンシン大学から、ウイルダネス大学へと・・・・・・

南北戦争のことをよくしらないのですが、奴隷制度否定派と肯定派で対立して戦争が起こるなんて、なんて醜いというか。
結果として北部の勝利で終結したので奴隷制度は”否”になったわけで、今からすればそれは当然の帰結だろうと、国力戦力以前に南北戦争の主義思想からして南部が勝利を収めることはあってはならないではないか、みたいなことは言えてしまうわけですが、当時はどうだったのだろうか、南部の人たちはどんなことを感じていたのか。
「奴隷制度」とは別の視点から戦争を捉えることもできるかもしれないし、南北それぞれの正義があっただろうし、書き出しておいて果たしてどうまとめてよいのやら。
南北戦争を知るに、よい本などありませんかね。

最近は、自分の知らないことがあまりにも多い、ということに、恥ずかしさを覚えるばかりです。

画像:“A Ride for Liberty” (1862).