2016-08-13_12-16-37
今月号も、ゆっくり読んでいたらもう次月発売してしまうという。

いつ死なせますか

「それで、どうしますあの患者は」
「もうこれで用ずみですな。ですから何時でもね」
「と言ってもすぐにどうこう言う訳にはいきませんよ」
「だったら勝手に死なせてやってくださいよ」
「そう言うものかねえ」
「そう言うものでしょうが、この世の中は」

切腹孝

おれは横たわって空を見ながら、施設から出て、救急車に乗せられた。おれは、また横たわって、うちの門からこの仕事場まで運ばれて、空を見た。空はとても青かった。きのうまでは、おれは死にたいと思っていたのだが、今、おれは、ちっとも死にたくない。あの青い空を見たから、いつまでも生きたいと思っている。

夫のそばで、夫の呼ぶのを待ちながら、わたしはネットで検索を、「高齢者、市の兆候」、そんなことばで検索をかけてみた。いつ死ぬのか、いったい夫の今の状態はどれだけ死に近いのかが、知りたかった。

それはprogressionの1つですよ。
死に向かって進んで行く。

贖罪のために看取っているのだと思っていた。でもいざ死んでみると、どうもそればかりとは思われない。何か別の理由があったんじゃないか。そう思えて仕方がない。でも終わった。理由はどうあれ、死んだら、どうでもよくなった。終わった、終わった。それが死だ。