伊集院光とらじおと森本レオとラ・ジュテと
2017年3月29日回の話

※ネタバレなので観てから読むことをおすすめします

レオさんの話がおもしろすぎたので文字に起こして記録しておく
この回を聞いて、すぐにTSUTAYAに探しに行った。みた感想も今度残しておく。

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伊集院:
今話してたのはね、ラ・ジュテっていう、観ました観ました。それこそラ・ジュテを見て感想聞かせてって言われてて。面倒臭いのがさ、この業界の先輩にあそこまで熱く言われるじゃないですか、そうすると見るまで顔合わせづらい。そしたらね、なかなかこれが手に入らなくてさ。レンタルとかないんですよ。 1

レオ:
だってあんな29分のものなんかまともに扱わないよね。

伊集院:
29分の上に動かない。動画じゃないんだから。

レオ:
ほんとスライドショーだよね。

伊集院:
スライドショーなのよ。でもスライドは凝ってて、ロケしてちゃんと撮ってるんですよね。

レオ:
ただあのスライドが最後になってきて、まーどうせ誰も見ないからいうけど、第二次大戦の後、もう一回最後の戦争が起こったって話なの。今まさにオンタイムなんだけども。最後の戦争が起きて。世界は勝った者と負けた者に別れた、しかし、地球が原子の死の灰に覆われて、勝った者にも未来はない。勝った側はどこに行けばいいか一生懸命考えて、そうだ未来がないなら過去へ行けばいい。という話になるのね。過去へ行くには人体実験をしなきゃいけないんで、自分たちはやりたくないから負けた側の人たちを使ってどんどん人体実験をしていくと、みんなどんどん死んでいく。でも、その犠牲の果てに一人だけ過去へいける奴が出てきた、

伊集院:
それもね、ちょとしたね、なんていうのかな、精神力で過去に遡っていくんですよね、それが漠然としているんだよね。

レオ:
そうそうよくわかんないんだよね。

伊集院:
頭の中で過去への思いと過去への記憶を呼び覚ましながら、あと薬物を打たれつつ、機械をくっつけられてそいつは過去に遡っていって、どうにか人類が滅亡しないキーを探してこいっていう感じの話なんだよね。

レオ:
そうなんだよね。

吉井:
29分でできるってすごいですね。

伊集院:
そうなんだよ。

レオ:
スライドだから逆にできるんだよね。ナレーションで全部説明してて。彼は最初は2時間しか過去へ行けなかったのが、3時間、4時間、5時間、6時間、半日といられるようになって地元の花売りの娘と恋をするっていう。

伊集院:
スタッフが調べた資料をもらったら、これをたたき台に、ある意味これを原作に12モンキーズをテリー・ギリアムが撮っているんですね。

レオ:
テリー・ギリアムさんは、それを自分で動画にしたくて、だからいろいろとにかく金を稼いで、なんかギャグみたいな奴やってたじゃないですか。

伊集院:
モンティパイソンやってました。

レオ:
それも全部、12モンキーズを作るための努力だったんですよ。

伊集院吉井:
へー

レオ:
そうやって尚且つ、それを見た奴がまた、俺ならもっとうまくできる。って作ったのがトータルリコールだったりする。

伊集院吉井:
へー

伊集院:
脈々と、この映画は影響を与えているんですね。

レオ:
日本の評論家はあんまりそれを分かっていないんだけれども、ラ・ジュテからきて、そのラ・ジュテの思想ってのは実はキューブリックなんかにも全部いってて。あいつに負けらんないって。あれは絶対映画評論家とかそういう人だったら見とかなきゃいけないんですよ。29分。

伊集院:
すごく力を感じるのは、当然、動画でやったらいくらでもお金かけられるじゃないですか。100億だってかけられるようなものなんだけど、おそらく志が高く金はそれほどないんでしょうね。静止画で作ろうと思ったのは。静止画とナレーションでこれだけの世界を作るっていうと、学ぶとこありますよね。金がないからできないとは言わせないみたいな。センスと熱意と才能があれば。

吉井:
わー、なんか見たくなってきたのに。

伊集院:
ただこれがね全然手に入らないんですよね。

レオ:
最後追いかけられるんだよね。未来の国から来るわけだよ。あいつは過去に逃げ込みやがって戻って来ねえ。っていうんで。それで彼女と飛行場で、ラ・ジュテっていうのは飛行場のタラップっていう意味なんですよ。タラップで出会って、二人で手に手をとってもう、あの夢のある国、怖くない国に行こうっていうときにふっと見るとサングラスと黒いスーツの男たちがじーっとこっちを見てて、追手が来たって逃げようとすると、その黒い連中がカッカッカッ、ストップモーションで走っていくんだけどそれがストップモーションがどんどんどんどん早くなるから普通に走っているようにカッカッカッカッカッカッカッて、物凄いスピード感と緊迫感で、それでエンディングに向かっていくんだけど。だから、あの映画は、動いているだけが映画じゃない、止まっているからこそすごい動いているんだっていうね。そのショックを僕は叩きつけられて。ただね、29分の中で、1秒だけ動いているところがあるんですよ。気がついた?一秒だけ。彼が、彼女と、花売りの娘と恋に落ちて、彼女の家へ行く。彼女はベッドでもう服を全部脱いで横たわって、おいでってじっと待っている写真なのね。それに男が近寄るという形でズームしていくと、静止画だと思ってたら、男が近づきかけたほんのもう一歩ってところで、まばたたきするのよ。一秒。

伊集院:
ほー。もういっかい見直しますはそれは。

レオ:
これはねーもう鳥肌たつから。

伊集院:
まさに、レオさんの熱意に押されてちょっと振り返ってみると面白いなと思うのは、計算もあるだろうし偶然もあると思う
んですね。その中で、静止画で不自由に撮っていることが逆に言うと、これこいつ薬物打たれて朦朧としてるだけで本当は過去なんかに行ってないんじゃないかみたいな。

レオ:
なるほどね。

伊集院:
ある意味チャチだから、フルCGで撮ってる今のちょーハイビジョンの映画だったらばただのSFになるところが、なんだかわからない、あの危ういところとかもいっぱいあって。ほんとレオさん映画好きですよね。もう一本例えば今これを聞いている人に、これじゃあ見たらっていうのあります?急にそんな質問されると思ってないですよね。

レオ:
思ってないけどもとりあえず、手近で言えば、悲情城市は見ておかないといけないだろうなっていう。

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以上

在庫のある店舗に行ける人はレンタルして見たほうがいいです。ぜひとも。


Notes:

  1. 大きいTSUTAYA店舗には置いてあります。渋谷店にはありました。