ムービーウォッチメンで、スパイものの映画、女スパイものの映画、タイトルなんだっけ、忘れてしまった、を評しているなかで、「裏切りのサーカスが思い浮かびますよね」と話していたのが気になったので観てみた。

最後の方でネタバレありなので、また見ていない人は閉じた方がいいです。

画のかっこよさには感動。どのシーンをとっても、かっこいい。オープニングの引きのシーンでいっきに引き込まれる。撮影監督はホイテ・ヴァン・ホイテマ。ダンケルクもホイテさんが撮影したようだ。ダンケルク見てないけれども。

しばらく、登場人物名と顔が一致しなくて、焦った。amazonビデオだったからちょっとまきもどして、こいつ(幹部が)ビルか、こいつがパーシーか、プリドーに、ロイに、とか、確認してしまったほど。これ劇場で見てたらもっとついていけてなかったかも。

ちょっと前に、マジック・イン・ムーンライトを見たのですが、個人的にはあまり面白くないなーという感想で、それにつられてコリン・ファース自体がなんだかなーみたいな印象になってしまっていて、それからしばらくコリンファースを見ることがなく裏切りのサーカスだったものだから、勝手に自分の中でギャップに惚れる。みたいなことになった。

コリンファースかっこいい。

夜食を作りながら、中断中断で見たから、とっても軽い感じで見てしまった。

裏切り者は誰だったのか、のクライマックスのシーンでゲイリーオールドマンがあれをあれするシーンで、あれするのかな?みたいな、気になった。しかしあのシーンの、唾を飲み込む音、服のすれるおとすら立ててはいけない、緊迫感。すごかった。あのシーンでぼりぼり噛み砕いたら台無し。

劇中で、HD414が使われていて、あーやっぱりかっこいいなーと。予告編でも一瞬映ります。

エンディングはなぜ La mar ?
フランスの歌
意味は海
英語のタイトルは Beyond the sea

海は何を象徴している?人生、母親、想い人。ターのイリーナへの想い?ジョージのアンへの想い?プリドーのビルへの想い?ラストのLa merのシーンでは、ビル、プリドー、リッキー、コニー、ギラム、ジョージ、とおそらくアンが登場するけれど、他の幹部たち(パーシー、エスタヘイス、ロイ)は出てこない。

一つ違和感
ラストシーンの拍手喝采。サーカスにもぐりこんだ裏切り者をみつけたぞ!もぐらに翻弄された人たちの無念を晴らしたぞ!やったねジョージ!みたいに、サーカスを立て直したジョージやその他工作員の頑張りに対する拍手喝采だと思ったんだけど、本当か?というふうに思い直した。

La merの流れる中、ジョージのもとにアンがもどり、ジョージはサーカスに戻り、そしておそらくリーダーの座に着いておわる。あわせてla merのエンド、拍手喝采で終わる。

あらゆることがジョージの思惑通りに進んだな。裏切り者をみつけ、アンを取り戻し、リーダーの座に着いた。そこに至るまでのあなたの計画がすべてうまくいきましたね!ブラボージョージ!という拍手だったのでは?という勘ぐり。

ジョージはビルが裏切り者だと気がついていた、そうビルが言っていました。隠れ家でビルをとらえた場面で、あなたは気がついていた、と言っている。いつから気がついていたのかはわかりませんが。

アンを奪ったビルへの私怨(あるいは、ジョージの弱点は妻である、という分析がなされることを見越してあえて妻を野放しにし、もぐらを釣ったのかとも思えてくる。カールに贈り物のライターを渡したことで、そこを攻めてくるのも予想していたか。となると私怨にかられて判断力を失う演技をしていたことになる)や、自分を右腕として使っておいて全く信用することもなくミッションが失敗したら道連れにしたコントロールに対する復讐であるとか。

コントロールの自宅で、幹部の顔写真付きでのチェスの駒が置かれているのを発見する場面。5つ目にスマイリーの駒が現れた時のスマイリーの表情をどう読むか。まさか自分も疑われていたのかという落胆の表情か、コントロールがもう少しで正解にたどり着いたかもしれないという脅威を感じ取ったのか。あの表情は後者では?という気もしてくる。2重もぐら状態?

そういえば、幹部の名前。スマイリーだけコードで呼ばれていない(ジョージ・スマイリー)。。コントロールとプリドーの密会のシーン。誰がもぐらかわかったら、暗号で教えろと伝えるコントロール。アレリンはティンカー。ビルはテイラー。ロイはソルジャー。エスヘイスはプアマン。5人目は、スマイリー。スマイリーだけ暗号化されていない。どうして?

コントロールの死もジョージによるものではないかと思えてくる。コントロールの死のカットをはさむ一連の流れは、ジョージが犯人であるということを示唆しているようにも思える。

ピーターへの監視がつくぞ、と言っておきながら、相変わらずピーターはジョージのアジトへ足を運ぶ。ピーターへの監視が徹底されていればすぐに足がつきそうだし、それにあわせてリッキーの所在もばれて、一巻の終わり、ということにもなりかねないのでは?そこはスパイ同士、足がつかないように細心の注意を払っていたと言えばそれまでだが。監視がつくぞと言われた瞬間のピーターの動揺狼狽ぶりに比して、一転落ち着いて任務を遂行するあたり、単純にスパイとして自身の感情をコントールしているだけなのか?それともジョージが裏側で何か糸を引いているのでは?とも勘ぐってしまう。

そういえば、最後にジョージとピーターがすれ違うシーン。ジョージは一瞬ピーターを見やり、目を合わせたかと思うとさっと顔を下に向け口元が緩んでいるよう。ピーターの方は、すれ違った後に、我慢できずに笑みがこぼれるといった風。ピーターのかかわりは極秘であるからおおっぴらに二人が関係を持っていたような言動は慎むべきであるが、それにしてもさりげなさすぎでは?単に裏切り者を捕まえることができましたね、というようなシンプルな感情表現以上の何かを感じてしまう。勘ぐりすぎ?

いろいろ考えるに、すべての黒幕はジョージである、というふうにしか見えなくなってきた。どうなの?妄想しすぎ?原作は?。

しかしながらそれすらもあの作品の思惑かもしれないと思うと、おもしろすぎる。