フェイシズ / カサヴェテス

早稲田松竹で見てきた。

今年最後のラインアップ。じゃなかった、30日から「この世界の〜」だった。

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観ている、という感覚になるまでにかなり時間を要した気がする。終盤になってやっと観ている、観られているという感覚。

登場人物達の感情が不安定で、起伏が激しすぎて、それに釣られてなのか、映画を観ている、観させられているこちら側の感情もものすごいことになった。とても不安定になる。

どアップで、狂ったように笑い、罵り、怒り、また笑いを繰り返し続け、感情を爆発させる人間の顔を延々と垂れ流されて、映し出される。その緊張感、不快感。誰しも内面に不安定な感情を持っていて、それは夫が妻に対して抱くものだったり、妻が夫に対してもっている不信感だったり、家庭や社会の中で鬱々と蓄積されていった何か。とても生々しい。痛々しいくらいに遠慮なくぶちまけている。

つまらなかったか?おもしろくなかったか?というと、そういうのでもなくって、複雑な感想。人に勧めるか?いや、勧めないかな。

見られてよかった気はしている。

妻マリアとその友人たちがハメを外すシーンは、どこか見てはいけないものを見てしまっているようで若干の後ろめたさもあり。マリアとチェットとの交流が、あの映画の中では不思議ととても綺麗なもののようにみえた。

娼婦に一目惚れして勢いで妻に離婚を言い渡し、そのまま娼婦の家に泊まり込み朝帰りしてみたら、妻が不貞を働いているのを目撃し、自分のことは棚に上げて激怒しはじめるところとか、おいおいなんだよそれ、という感じ。ただ、おそらく結婚生活がはじまってからずっと自分を繕っていたであろう妻が、罵ってくる夫にひるむことなく敵対心、反抗心をむき出しにしているのは気持ちが良かった。妻は決して一言も謝ることなく。階段でタバコを吸うシーン、かっこよかった。

最後の階段のシーンで、ぴたっときれいに映画が収まった。

大人って、夫婦って、あんなもんか?

見終わって、じわじわきてる。

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