【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの大西順子さん】
昨年2枚同時リリースされた『Very Special』『Glamorous Life』から

や:25年ぶりにお越しいただきました、ジャズピアニストの大西順子さんです。

お:お久しぶりです、というかあまり記憶にないんですけどね。もう四半世紀も前なんですね。

や:前にお越しいただいたのはデビューしたてのとき?それともデビューする前?

お:おそらくデビュー版が出る直前だったのではないかと思います。

や:昨年秋に、久しぶりにアルバムを2枚同時リリースされました。

お:一枚がバラードばかりを集めた「Very Special」というアルバムです。自分にとって初めてのバラード集で、とても力が入っています。それと、久しぶりにレギュラーのトリオを構成して作ったのが「Glamorous Life」です。

や:本当はもっとお届けしたいのですが、時間の都合上、二つのアルバムから2曲ずつお届けします。詳しい話は中の方で、早速一曲。

M1「Tiger Rag」

お:「Glamorous Life」から「Tiger Rag]です。この曲はソロピアノで演奏しています。古い古い曲で、ちょうど昨年(2017年)が、この曲が録音されて100年という記念すべき年でした。

や:「Tiger Rag」。軽快にスタートしました。本当に久しぶりのアルバムリリースですが、かなりの思いを込めてとおっしゃっていましたね。

お:はい。とくにバラードの方はずいぶん前から作りたいと思っていたので。今回それが実現できたのはうれしいですね。

や:バラードがはじめてだったというのも意外でした。

お:やっぱり、ある程度の年齢を重ねないとバラード集はなかなか作れるものじゃないなと持っていたので。そろそろいいんじゃないかなと。

や:この2作は大西さんの意向がかなり反映されている?

お:そうですね。まずバラード集を作りたいということをレコード会社さんには伝えていて、ただそれでは弱いんじゃないかといわれまして。弱いというか、地味じゃないか、ということですね。私のイメージってやっぱりがんがん弾いていくというものだったので。なので、トリオを作るということで、最終的には2枚同時に発売となりました。もちろんトリオもいずれは作りたいと思っていたので。

や:まずはトリオのほうですが、このアルバムのコンセプトは?

お:ジャズの幅が広くなってきていて、私が学んできたものを超えてきて、いろんなジャンルとクロスオーバーしてきている。そんな中、自分は何をしたらいいかと悩んでいたんですね。手探りの中でピアノトリオを作るに当たって、リズムであるとか、いろんなものが複雑化していく中で、自分の中では原点に戻ってシンプルなメロディとある程度複雑化しているリズムを自分なりに消化したものを。という感じですね。

M2「I Cover The Water Front」

お:バラードの方は、本当に心地よいジャズというのはこういうものじゃないか、と自分なりに思っていたものを、世の中の流れとはまったく関係なく表現できたのかなと。バラードに関しては、私がサイドマンとして若い頃やっていたときに、いろんな方から影響を受けていますが、中でも素晴らしいシンガーであるベッキー・カーターを聞いたときに非常に勉強になって。心に残っている「I Cover The Water Front」という曲を、ギターの馬場さんとデュオで演奏しました。

や:バラード集からお送りしました。とても甘い音を聞かせていただきました。ギターとの組み合わせも素敵ですね。

お:ギターとはずっと前からやりたかったのですが、このレコーディングがまったく初めてでした。こういうイメージのギタリストを探しているというのはあって、そういうことをまわりのミュージシャンに聞いたら、全員が馬場孝喜さんの名前を挙げるのでこれは間違いないなと。すぐにレコーディングをお願いしました。お会いしたこともないのにお願いしました。リハーサルで始めてお会いして。間違いないなと。本当は2,3曲お願いするつもりだったのですが、演奏していたらどんどんよくなっていって、最終的には5曲くらい。大フィーチャーですね。

や:どういうギタリストがいい、というオーダーだったのですか??

お:私の中では、ピアノが歌手で、それにギターのバッキングがつくイメージがあったので、やはり一緒に歌える人を探していたんですね。馬場さんはそういう経験もたくさんあるので、たくさんのシンガーとやっていて、耳もすごくいいし、音もすごくいいし、リズムもパーフェクトだし、そういう意味で馬場さんは今回のアルバムでご一緒できて本当にラッキーだったと思います。

や:「歌」というのが、バラードでは大事だった?

お:そうですね。メロディをどう弾くのかということですね。ばらばらとソロをとるとういことではなく、あくまでメロディをどう弾くのかというのが私のとって重要でした。

や:馬場さんのほかに参加されている方をご紹介いただけますか。

お:歌で、ホセ・ジェームズに参加してもらいました。大変売れっ子の方。彼とは7年くらい前に知り合いまして、彼との音源だけは7年前の音源です。それから、ひっぱりだこの挟間美帆さんという作曲家の方ですね。一曲クラシック、オペラからベルディの「柳の歌」という曲をアレンジしてもらいました。

や:面白い曲を取り上げていらっしやいますね。

お:私はオペラには詳しくないのですが、たまたま10年前くらいに、テレビで素晴らしい歌をきいてこの曲を知って、いつか自分なりに何かやりたいなと思っていた。

や:ほかにも、クラシックの曲が入っていますね。

お:これは小さい頃から耳にしている曲なんですが、何というか、オルゴールチックにやれたらいいなと思って、LPとピアノを重ねてみました。ホセとのデュオで「Lush Life」、ビリー・ストレイホーンの名曲です。

M3「Lush Life」

や:いい声ですねほんとに。「Very Special」から2曲お送りしました。他にはどんな曲が。

お:ホセとのデュオがもう一曲。クラシックが2曲。ボッサノヴァというか、イヴァン・リンスの曲とか、Earth, Wind & Fire – After The Love Has Goneとか。

や:最後にもう1曲お届けしますがその前に、アルバムのツアーのお話など。

お:もうすぐに始まります。トリオのメンバーと、回によってはギターの馬場さんとか、もしたら羽沢美穂さんも参加してくれるかもしれません。25日にビルボード大阪で、馬場さんも参加されます。2月7,8,9日はブルーノート東京、2月24日は渋谷伝承ホールでコンサートをやります。

や:トリオのときはトリオだけ?

ぽ:それは乞うご期待ということで。

や:HPで調べていただければ。ライブの予定も詳しくでていますのでご覧ください。もう一曲トリオアルバムから。トリオのメンバーをご紹介いただけますか?。

お:ベースの井上陽介、彼のいいところをこれでもかと生かしています。それから、ドラムの高橋信之助、三人ともNY経験が長いという共通項があってで、そういう意味でトリオサウンドの目指す方向が一緒で楽しくやっています。

や:トリオを組むとなるとメンバー考えますよね。

お:私はいろんな要求を出すので、替えが聞かないというか。今回なんかはそれに答えてくれるメンバーということで。

M4「Golden Boys」

お:三人でやるためにかいたオリジナル曲です。

や:「Glamorous Life」の方は大西さんのオリジナル曲が多いですね。2枚併せて19曲。発売されているのでぜひお買い求めください。今年の抱負などあればお聞かせください。

お:着実に日々生きていくだけだと思いますが、やっぱり惰性でやらずに、一音一音大事に大事に、自分にとってフレッシュに思えることだけをなるべくやっていこうと思っています

や:原点的ですね。

お:これが以外に難しくて、長くやればやるほど難しくなるなと自覚しています。必要なことだけを必要な場所で表現できるように。