アルゴ

ムービーウォッチメン。デトロイトの回。宇多丸さんの評より。

そこから、実際のニュース映像や記録映像などとほとんどシームレスに……要は、ニュース映像や記録映像とあんまり質感的に差がないような感じで、シームレスに(新たに撮った映像と現実の画が)お互い挟み込まれるというか、交互に見せられるような、要はものすごくドキュメンタリー的な、徹底したリアリズムで(暴動が泥沼化してゆく過程が)描かれる。
映画批評書き起こし

アルゴを見て、宇多丸さんのデトロイト評がパッと浮かんできた。こういう感じなのかな?デトロイト。と。(まだみていない)

レスター・シーゲルについて。
あれは、誰だろう、というのはやはりきになる。

映画に登場する架空のプロデューサー、レスター・シーゲル。この人物名をきいて「マーク・レスター」を思い出す。小さな恋のメロディの、あの彼。「マーク・レスター」ってプロデューサー業もしていたのか?いやしていない。

ついで「マーク・レスター」で引っかかったのが「マーク・L・レスター」。こちらは「コマンドー」シリーズを成功させた人物。プロデューサー業もしている。1979年当時は33歳。少し若すぎる。「レスター」という名前とプロデューサー業の成功、という一致だけでは弱いし、そもそもコマンドーは1985年。1979年までの経歴が映画プロデューサーとして華々しいものか、というときっとそうではない。「マーク・L・レスター」でもない。

レスター・シーゲルを演じたアラン・アーキンのインタビュー記事を見つけたので引用。

質問にこたえるアーキンいわく、

レスター・シーゲルというキャラクターは特定の人物をモデルにしているのではなく、複数人(2-3人)がベースになっている。ただ、レスター・シーゲルと呼ばれる人物が過去に存在していたことは間違いない。第二次世界大戦当時、OSS[ref]Office of Strategic Services:戦略諜報局(1942年6月13日 – 1945年9月20日)は、第二次世界大戦中のアメリカ軍の特務機関で、諜報機関である。[/ref]でシーゲルが仕事をしていたことは確認されている。それが誰かについては定かではない。シーゲルの役作りは「ジャック・ワーナー」をモデルにした。遠い昔にハリウッドのパーティーで会ったことがあるのさ。

と。いうことで、映画のレスター・シーゲルのモデルは複数人。しかしながら役作りのためにジャック・ワーナーを参考にした。実在するであろうレスター・シーゲルの素性は一切わからず。

映画終盤。
怒涛のクライマックスをぬけ、物語のクロージングに向けてのスロープ。メイデンが上司と会話する。

「勲章をうけてすぐに返上ですか。」
「そうだ。喝采を浴びたければサーカスへ行け」
※セリフは適当。だいたいあってる。

この「サーカス」は、イギリスの諜報機関のことかと。喝采、というのもそのままだし。裏切りのサーカスが2011年公開で、アルゴが2012年公開。

いまwikiで秘密情報部のことを調べてみたのだが「通称サーカス」というような記載がないので、ほんとにサーカスと呼ばれていたのかという疑問。もしかして物語の中で使われていただけなのか?

英語版のwikiにはちゃんとサーカスの説明があった。

MI6はサーカスと呼ばれていた。これはジョンル・カレのスパイ小説(ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ:1974)によって作られた造語だといわれている。レオ・マークス(イギリスの脚本家)は第二次世界大戦の回想録[Between Silk and Cyanide:1998]の中で、SOE[ref]特殊作戦執行部:Special Operations Executive[/ref]の一部が、バートラム・ミルズ・サーカスのディレクターが所有していたロンドンのドーセット・スクエアの1階に入っていたことに由来する書いている。この話は、SOEが好きなジョークのうちの一つだったと。

The Circus
MI6 is nicknamed The Circus. Some say this was coined by John le Carré (former SIS officer David Cornwell) in his espionage novels. Leo Marks explains in his World War II memoir Between Silk and Cyanide that the name arose because a section of the Special Operations Executive was housed in a building at 1 Dorset Square, London, which had formerly belonged to the directors of Bertram Mills circus. “This inspired continuity was one of SOE’s favourite in-jokes.”[76]

スパイ小説による造語、と書かれている。ティンカーが書かれたのが1974年なので、少なくともそれまではMI6のことをサーカスとは呼んでいなかったはず。また、SOEは1946年で解体されているので小説刊行当時まで存続していたわけでもない。となれば、マークスの回想録の内容と合わない、というか、回想録で言っているジョーク、それそのものがマークスのジョーク、ということか。

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